日本で共働きの外国人の一方が離職した場合のビザの申請


日本で共働きをしている外国人の友達夫婦が増えています。一方が離職したら、ビザはどうなるのでしょうか?

日本では、夫婦それぞれが独立した「就労ビザ」を持ち、共働きしている外国人家庭が増えています。中でも「技術・人文知識・国際業務(いわゆる技人国ビザ)」を取得して働くケースは非常に多く見られます。しかし、一方が離職した場合、その後のビザや在留資格の取り扱いには注意が必要です。本日は、夫婦がともに技人国ビザを持つ場合に、一方が離職したときの影響について解説します。
目次
1.離職した本人の在留資格の扱い
技人国ビザは 特定の活動(=契約先企業での就労) を前提にしており、離職後はその前提がなくなるため、注意が必要です。
- 在留資格の有効性
離職直後にビザが失効するわけではありませんが、入管法により「就労資格で定められた活動を3か月以上継続して行わない場合」は在留資格の取消対象となります。 - 対応策
① 3か月以内に転職先を見つけて就労を再開
② 見つからない場合は「在留資格変更」(例:配偶者の扶養を前提とした「家族滞在」など)を検討
2.夫婦のもう一方が就労を継続している場合
夫婦双方が技人国ビザを保持している場合、片方が離職してももう一方のビザには影響しません。つまり、就労を継続する側の在留資格はそのまま維持されます。
一方、離職した側は次のような選択肢があります。
- 転職先を探し、技人国ビザを維持する
同じ分野(技術系・事務系・国際業務系)の職種に再就職すれば、引き続き「技人国」で在留可能。 - 家族滞在ビザへ変更する
夫婦どちらかが「主たる就労者」、もう一方が「家族滞在」として在留するパターンも可能。ただし「家族滞在」は就労制限があるため、働くには「資格外活動許可」が必要となる。
3.生活基盤と在留審査のポイント
入管はビザ更新や変更の際、夫婦全体の生活基盤も含めて審査します。
- 一方が離職しても、他方に安定収入があれば生活の安定性を示すことは可能
- 離職後の活動状況を必ず届け出る必要がある(「契約機関に関する届出」)
- 無届や長期無職状態は不利益に作用し、更新不許可のリスクが高まる
4.典型的なケースと対応
- 夫が離職し、妻が就労継続
→ 夫は転職活動を行うか、妻の扶養で「家族滞在」へ変更する。 - 妻が離職し、夫が就労継続
→ 同様に、妻は技人国での転職か家族滞在へ切替。 - 双方とも一時的に離職
→ 世帯収入が途絶えるため、在留更新は困難。生活費を示す預金証明などが求められる可能性大。
まとめ
外国人夫婦が双方とも「技術・人文知識・国際業務」で就労している場合、一方が離職すると その人自身の在留資格は不安定になる 一方で、配偶者のビザは影響を受けません。したがって、離職者は ①早期転職、②在留資格変更、③収入の安定性証明 のいずれかで対処することが重要です。