調理師の実務経験10年「学校・バイト」の重複に注意!


日本で調理師として働くための技能ビザを取得したいので、実務経験10年のカウント方法を教えてほしい。

日本で外国料理の調理師(シェフ)として働くために必要な「技能ビザ」。
今回は、技能ビザにおける職歴の数え方の注意点や、よくある勘違い、そして技能ビザ以外で調理師として働く方法について分かりやすく解説します。
1. 技能ビザ取得の基本:通算「10年以上」の証明が必要
技能ビザを取得して料理人として働くには、原則として「実務経験年数 + 教育機関で学んだ年数 = 通算10年以上」のキャリアが必要です(※タイ料理など、二国間協定により5年以上に緩和される特例もあります)。
この「10年」は、自己申告ではなく、過去に在籍していた店舗が発行する「在職証明書」や、学校の「卒業証明書」などの公的な書類で厳密に証明できなければなりません。
2. 実務経験は「フルタイム勤務」が原則!アルバイトは対象外
ここで最も注意すべきなのは、実務経験や教育機関の期間として認められるのは、基本的に「フルタイム(常勤)として活動していた期間」のみという点です。
そのため、以下のような期間は「10年」のカウントに含めることができません。
- 見習い期間(雑用がメインの時期)
- パート・アルバイトとしての勤務期間
- 日本に留学中、資格外活動として飲食店で働いていた期間
入国管理局は、「プロの料理人として技能を磨いてきた期間」を審査しています。そのため、時間の限られたアルバイト経験は「補助的な業務」とみなされ、除外される可能性が高いです。
3. 要注意!「学校」と「アルバイト」のダブルカウントは不可
くあるご質問として、以下のようなものがあります。
「外国の大学や専門学校で調理を学びながら、同じ時期に夜や週末にレストランでアルバイトをしていました。この場合、学校の期間と、働いた期間を両方足すことはできますか?」
結論から言うと、原則、学校と実務経験の「ダブルカウント(二重計算)」はできません。
よって、大学で4年間調理を学び、その間に4年間アルバイトとして調理の仕事をしていた場合でも、実務経験8年ではなく「4年」としてのカウントになります。
4. 経験した料理と「職務内容の一致」が必要
無事に10年のキャリアを証明できたとしても、「調理の仕事であれば何でも良い」というわけではありません。
技能ビザは、その人が持つ「熟練した技能」に対して許可されるものです。そのため、自分がこれまで経験を積んできた調理師としての経験が、しっかり活かせるレストランやホテルで働くことが求められます。
- OKの例: 本国の中華料理店で10年間北京料理の修行をしてきたシェフが、日本の中華料理店に就職する。
- NGの例: 本国で10年間「フランス料理」の修行をしてきたシェフが、日本の「インド料理店」に就職する。
就職先の店舗が、あなたのこれまでのキャリアを活かせる環境であるかどうかも、審査の重要なポイントです。
5. 技能ビザが難しい場合の選択肢:「特定技能」
もし、「実務経験が10年に満たない」「アルバイト期間が多くて技能ビザの要件を満たせない」という場合でも、料理の仕事に就く選択肢はあります。それが「特定技能ビザ」です。
特定技能ビザであれば、10年の実務経験がなくても、国が指定する試験(技能試験・日本語試験)に合格すれば働くことが可能です。調理の仕事に関わる分野としては、主に以下の2つが該当します。
① 特定技能「外食業」分野
一般的な飲食店やレストランの厨房で調理師・スタッフとして働くためのビザです。大変人気の高い分野であり、国の受入れ枠の状況によっては試験の実施や申請のハードルが変動しやすいため、最新の募集動向(枠の空き状況)をつねに注視しておく必要があります。
② 特定技能「宿泊」分野
ホテルや旅館などで働くためのビザです。宿泊分野の業務には、フロントや接客だけでなく、「館内レストランや宴会場での調理・飲食サ―ビスの提供」も含まれています。そのため、ホテル内の厨房でシェフとして働きたい場合は、こちらの宿泊分野の特定技能ビザを活用して就労することが可能です。
まとめ:確実なビザ申請のために
技能ビザの「実務経験10年」の立証は、必要書類の収集も含めてハードルが高い審査となります。
「自分の経歴でビザが取れるか不安」
「特定技能への切り替えを検討したい」
という企業様・外国人の方は、ぜひ一度、オープンビザ行政書士事務所までお気軽にご相談ください。
