登録支援機関の書類作成業務は行政書士へ!

2026年1月1日より行政書士法が改正され、登録支援機関の書類作成業務を行政書士に依頼する必要があると聞きましたが本当ですか?

はい、ご指摘の通り、2026年1月1日に施行される改正行政書士法は、特定技能の登録支援機関の書類作成業務に極めて重大な影響を与えます。
結論から申し上げますと、「登録支援機関の書類作成業務を、行政書士に依頼する必要がある」という解釈は、コンプライアンス(法令遵守)の観点から最も安全かつ確実な対応であり、事業継続のために必須の対策とされています。

目次

1.行政書士法改正と登録支援機関への影響

2026年1月1日の行政書士法改正の核心

2025年6月に成立した「行政書士法の一部を改正する法律」が、2026年1月1日から施行されます。

改正のポイントは、非行政書士が行う書類作成業務に関する規制を、曖昧さを排除し、より厳格に、明確にした点にあります。

【改正の重要ポイント】

行政書士又は行政書士法人でない者は、他の法律に別段の定めがある場合等を除き、他人の依頼を受け、「手数料」や「コンサルタント料」等いかなる名目によるかを問わず、対価を受領して、業として行うことはできません。

この文言により、これまで「支援委託費に含まれるから対価性はない」などとして解釈の余地があった“グレーゾーン”が完全に消滅**します。

録支援機関への影響:報酬の「対価性」が明確化

登録支援機関は、受入れ企業から支援委託費などの報酬を得て、そのサービスの一環として入管手続きに関する書類作成や申請取次を行っています。

改正法が施行されると、この「支援委託費」の中に、書類作成業務に対する「対価」が含まれているとみなされる可能性が高くなります。つまり、名目が何であれ、報酬を得ている以上、書類作成は行政書士法が禁止する非行政書士の業務(非行政書士行為)となる可能性が非常に高いです。

【影響のまとめ】

  • 改正前: 支援委託費の一部として書類作成を行っても、対価性が曖昧でグレーゾーンだった。
  • 改正後: 「いかなる名目によるかを問わず報酬を得て」の禁止が明確化され、支援委託費の中に書類作成の対価が含まれると判断されるリスクが高まる。

2.なぜ行政書士に必ず依頼する必要があるのか?(法的リスクの解説)

「書類作成業務必ず行政書士に依頼しなければならない」と法律文言で書かれているわけではありません。しかし、行政書士でない者が報酬を得て書類作成を行うことは明確な法律違反となります。

重大な罰則(刑事罰)

違反した場合、行為者個人だけでなく、登録支援機関という法人自体にも、以下の罰則が適用される可能性があります(行政書士法第22条)。

  • 1年以下の拘禁刑 又は 100万円以下の罰金

これは、「両罰規定」が適用されるためであり、法人に対する罰金刑は事業継続に大きな打撃を与えます。

登録取消しのリスク

行政書士法違反という重大な法令違反は、出入国在留管理庁による登録支援機関の登録取消しの要件に該当する可能性があります。登録が取り消されれば、事業継続は不可能です。

法的リスク回避の観点

これらの重大なリスクを回避し、コンプライアンスを完全に遵守するためには、行政書士の独占業務である官公署提出書類の作成・提出代行について、行政書士へ業務を委託することが、最善の解決策となります。

3.登録支援機関が取るべき対策

登録支援機関が行政書士法違反のリスクを回避し、事業を継続するためには、以下の対応が不可欠です。

書類作成業務からの完全な撤退と本業への集中

在留資格申請書などの官公署提出書類の作成に一切関与しないことが基本です。

  • 業務の限定: 本来の業務である「特定技能外国人への生活支援」「職場定着支援」「相談対応」などの支援業務にのみ集中します。
  • 「補助行為」に留める: 許されるのは、情報収集のサポートや、書類の提出取次など、行政書士法が認める**「補助的な行為」**に限定されます。

行政書士との連携体制構築

最も安全かつ確実な対応は、入管への申請書類作成を、国家資格者である行政書士に委託する体制を構築することです。

報酬体系の透明化: 受入れ企業との契約において、支援委託費の範囲から書類作成業務を明確に除外し、書類作成報酬は行政書士に直接支払われるか、または行政書士への支払いを明確に分けて計上するなど、対価性がないことを客観的に証明できる仕組みが必要です。

正式な委託契約: 行政書士と顧問契約や業務委託契約を結び、申請書類の作成・提出を正式に依頼します。

まとめ

2026年1月1日施行の改正行政書士法は、特定技能事業におけるコンプライアンスの潮目を変えます。グレーゾーンの解釈に頼った運用はできなくなり、違法行為として刑事罰や登録取消しのリスクを負うことになります。

登録支援機関は、速やかに業務体制を見直し、行政書士との連携体制を構築することが急務です。

オープンビザ行政書士事務所は、豊富な入管業務経験に基づき、登録支援機関様の法的リスクを排除し、特定技能制度の適正な運用をサポートいたします。

行政書士との提携をお考えの登録支援機関様は、ぜひ、オープンビザ行政書士事務所にご連絡ください

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