高度専門職1号(ロ)ポイント計算表|エンジニア・専門職向け要件を解説

高度専門職1号(ロ)のポイント計算表
高度専門職1号(ロ)は、ITエンジニア、機械エンジニア、会計士、弁護士等の方が取得可能です。
在留資格『技術・人文知識・国際業務』、『企業内転勤』、『法律・会計』、『医療ビザ』の活動を行う事ができます。
以下のポイント高度専門職ポイント計算表で70点以上であれば高度専門職ビザの申請が可能です。80点以上であれば永住許可申請が日本の在留期間1年のみで可能です。
70点以上であったとしても年収要件(300万円以上)を満たさない場合は、高度専門職ビザの申請要件は満たせません。
ポイント計算表の項目の補足説明
①学歴
最終学歴が対象となります。
「大学」には短期大学が含まれ、高等専門学校の卒業者、専修学校の専門課程卒業者(「高度専門士」)は「大学と同等以上の教育を受けた者」として取り扱われ、これらは学歴ポイントの対象となります。ただし、専修学校の専門課程を修了して「専門士」の称号を受けた者は学歴ポイントの対象とはなりません。
➁職歴
従事しようとする業務に係る実務経験のみが職歴ポイントの対象となります。
➂年収
年収には基本給のほか、勤勉手当、調整手当等が含まれますが、通勤手当、扶養手当、住宅手当等の実費弁償の性格を有するもの(課税対象となるものを除く。)は含まれません。また、日本で勤務する会社から支給される報酬に加えて外国の会社等から支払われる報酬も含める事ができます。
⑤研究
「学術論文データベース」とは、世界規模で研究者の学術論文に関する情報を収集し、提供している民間企業等のサービスです。具体的には、クラリベイト・アナリティクス社(旧トムソン・ロイター社)やエルゼビア社が提供している学術論文データベースなどがあります。
出入国在留管理庁では、「研究実績」として申出があった論文について、エルゼビア社の「サイバース・スコーパス(SciVerse Scopus)」や米国国立医学図書館(NLM)が運営する「パブメド(PubMed)」という学術論文データベースを用いて論文の確認をします。
⑥資格
「業務独占資格」、「名称独占資格」、「IT告示で指定された資格」のみが対象となります。
具体的には、弁護士、弁理士、不動産鑑定士、計量士、建築士、公認会計士、医師、歯科医師、獣医師、調教師、騎手、ITストラテジスト試験、システムアーキテクト試験、プロジェクトマネージャ試験、、ネットワークスペシャリスト試験、データベーススペシャリスト試験、エンベデッドシステムスペシャリスト試験、ITサービスマネージャ試験、システム監査技術者試験、応用情報技術者試験、基本情報技術者試験、情報セキュリティマネジメント試験等あります。上記以外にも多数の資格が該当致します。
⑦特別加算(契約機関)
中小企業基本法第2条第1項に規定する中小企業者をいい、業種・資本金規模・従業員規模別に以下のとおりとなります。
(1) 製造業その他 : 資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人
(2) 卸売業 : 資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
(3) 小売業 : 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人
(4) サービス業 : 資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人
⑨特別加算
具体的には、以下の資格や賞が対象となります。
米国公認会計士、外国弁護士、米国アクチュアリー資格、英国アクチュアリー資格、iF デザインアワード(ゴールドアワード)、インターナショナル・デザイン・エクセレンス賞(ゴールドアワード)、レッドドット・デザイン賞(ベストオブザベスト)、グッドデザイン賞(大賞・金賞)、アジアデザイン賞(グランドアワード(大賞))、エーディーシー・アニュアルアワード(ゴールドアワード)、ディーアンドエーディ・アワード(ゴールドアワード)、カンヌライオンズ国際クリエイティビティ・フェスティバル(デザイン部門グランプリ・ゴールドアワード)、エルブイエムエイチプライズ フォー ヤング ファッション デザイナーズ(優勝)、インターナショナル・ウールマーク・プライズ(メンズウェア部門(優勝)、ウィメンズウェア部門(優勝))、ファッション・アワード(デザイナー オブ ザ イヤー(優勝))
就労系ビザ(技人国・企業内転勤・法律・会計・医療)から高度専門職1号(ロ)へ変更するメリットは?
現在、「技術・人文知識・国際業務」(技人国)、「企業内転勤」、「法律・会計業務」、「医療」といった就労系の在留資格をお持ちの方が、高度専門職1号(ロ)へ変更することには、以下のような永住権取得とキャリアの自由度に関わる大きなメリットがあります。
| メリット項目 | 就労系ビザ(技人国など) | 高度専門職1号(ロ) |
| 永住権への優遇 | 通常ルート(10年以上の在留)が必要 | 最短1年または3年の在留で申請要件を満たす |
| 活動の自由度 | 契約した専門業務に限定 | 専門業務に加え、関連事業の経営も可能(複合的な活動) |
| 在留期間 | 5年、3年、1年など様々 | 一律で最長の5年が付与される |
| 配偶者の就労 | 原則として学歴・職歴に基づく就労ビザが必要 | 配偶者の就労要件が大幅に緩和され、日本で働きやすくなる |
| 親の帯同 | 人道上の特別な理由がない限り不可 | 一定の条件のもと、親を日本に帯同させ同居が可能 |
| 家事使用人の帯同 | 認められない | 一定の条件のもと、外国人の家事使用人の帯同が可能 |
| 入国・在留審査 | 通常の審査期間 | 優先審査(迅速な処理)の対象となる |
主な変更メリットの解説
1. 永住許可申請の要件緩和(最短1年・3年)
これが高度専門職ビザへ変更する最大の動機です。通常の就労ビザでは、永住権を取得するには原則10年の在留が必要ですが、高度専門職1号(ロ)を取得し、ポイントを維持することで、以下の期間で永住申請の要件を満たせます。
- 80点以上の場合:1年の在留
- 70点以上の場合:3年の在留
2. 複合的な活動の許容
技人国ビザなどは、許可された活動(例:ITエンジニア)に限定されます。しかし、高度専門職1号(ロ)を取得すれば、本業である専門的な業務と並行して、その業務に関連する会社の経営や管理活動を、追加の許可なく行うことができます。これにより、キャリアやビジネスの選択肢が広がります。
3. 家族に対する優遇措置
配偶者や家族に対する優遇が手厚くなります。
- 配偶者の就労緩和: 配偶者が通常の就労ビザの学歴・職歴要件を満たさなくても、特定活動ビザを取得することでフルタイムで働くことが可能になります。
- 親の帯同: 7歳未満の子の養育、または妊娠中の配偶者の世話をするという一定の条件のもとで、親を日本に呼んで同居させることができます。
これらのメリットは、日本での長期的なキャリア形成と生活の安定を強力にサポートします。
よくある質問
Q高度外国人材として在留している間にポイントを満たせなくなった場合は取り消されるのでしょうか。
在留中にポイント70点を満たせなくなったという事が理由で高度専門職ビザが取り消される事はございません。ただし、ビザの更新時には、ポイント70点以上がないと高度専門職ビザの更新はできません。
Q最低年収基準はありますか?
ございます。ご年収が300万円に達しない場合は、ポイントの合計が70点を超えていたとしても、高度外国人材と認定されません。
Q新入社員でも高度専門職ビザは取得できますか?
可能です。ただし、職歴がないので、学歴、日本語力、想定年収等でポイントを獲得する必要があります。
まとめ:高度専門職1号(ロ)
高度専門職1号(ロ)は、ITエンジニア、会計士、弁護士、医師などの高度な専門知識や技術を要する業務に従事する外国人材を対象とした特別な在留資格です。
通常の就労ビザ(技人国、企業内転勤など)からのステップアップとして、ポイント計算で70点以上を獲得することで取得可能となります。
🌟 複雑な申請は専門家へお任せください
高度専門職1号(ロ)の申請では、複雑なポイント計算(年収、学歴、職歴、資格、特別加算など)を正確に行い、それを裏付ける書類を収集・作成する必要があります。特に、年収の計算方法や職歴の立証、加点項目に関する解釈が不十分な場合、計算ミスや資料の不備はそのまま不許可につながるリスクが高まります。
- 「自分の点数が70点に達しているか自信がない」
- 「永住権を見据えた、最も有利な申請計画を立てたい」
- 「必要な証明書類の収集や作成に不安がある」
このようなお悩みをお持ちであれば、高度専門職ビザ申請に強い『オープンビザ行政書士事務所』にぜひご相談ください。経験豊富な行政書士が、お客様の専門性と実績を最大限にアピールし、複雑な申請を確実にサポートいたします。
